最も美しい実験
~アンモニアの噴水実験~
匂いは強烈ですがインパクトナンバーワンのアンモニアについてはぜひ実験して体験してもらいたいものです。ただ有毒な気体である事は間違いないので、十分に気をつけて実験をしていきましょう。
空気中で1番大きい割合を占める窒素についてですが、昔、実際に生徒実験で作ったことがありますが、気体捕集後の反応性を調べる実験で全く何も反応しないので、生徒たちが最後まですっきりしない様子でした。何も反応しないのが窒素の特徴なのですが、かえってすっきり何もやらないほうがいいのかなと思って最近はほぼやっていません。
そのかわりアンモニアの性質については特徴的な変化が多数ありますのでそちらの方を重点的に指導するようにしています。冒頭でも申し上げましたがアンモニアについては有毒なガスでもあるので基本的にはアンモニアの捕集は演示実験でやったほうが安全です。塩化アンモニウムと炭酸カルシウムを使う実験もアンモニア水を沸騰させる実験も上方置換で集めることができます。ただし発生させすぎると演示実験でも大変なことになってしまいますので、気をつけましょう。一応両方見せる事は大事かと思います。1枚目のプリントに示した実験を見せてあげましょう。
生徒にやらせたいものは1枚目の最後の実験と2枚目のプリントです。すでに試験管や丸底フラスコに捕集しておいたアンモニアで実験をさせると安全かと思います。事前の準備が大変だと思いますが、そこは我々の仕事だと思います。最後のほうに裏技(時短テクニック)を載せておきますので、その方法でやっても良いかと思います。
アンモニアが水に溶けて、丸底フラスコ中の体積を減らし、水が吸い込まれることで起こる不思議な現象について、科学的に考え、説明することができるになると理想的ですね。添付したプリントには4コマ漫画風に説明を求めるようにしました。ぜひグループワークなどでお互いの意見を書き込めるようなものであれば共同的な学びができると思います。
時短テクニック(裏技)
塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムを試験管に入れて少量の水を注入するというものです。発生したアンモニアが上昇していきますので、試験管の口を追うように丸底フラスコや大型の試験管をかぶせておいてください。
水酸化ナトリウムと水の反応熱によって塩化アンモニウムとの化合が促進されます。かなり激しい反応が起こりますので、くれぐれも生徒にはやらせないようにしてください。