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電源装置を使いこなそう!

~エジソン電球の秘密~

3-2 電圧と電流の関係-3.jpg

​ あまりオススメできる方法ではありませんが、やっちゃいけないことをやっておいてもいいかもしれません。豆電球と抵抗を取り付けた回路を作り、電源装置の電圧を徐々に高めていくとどうなるかという簡単な実験を行います。新品の豆電球だともったいないのでこれまで使い込まれたものを用意しておくといいと思います。

0Vから徐々に調節つまみを回して徐々に電圧を上げていくと明るさが増していきます。調節つまみを左右に回しながら電球の明るさを調節してほしいところですが、いきなり大きく回さないようにだけ注意していきましょう。また、電球のフィラメントの部分の説明もしておいてください。後ほど電流と熱の発生のところで伝えることですが、電流が抵抗によって熱と光を発生します。強い光を目で見つめるとあまり良くないのですが、今回の実験装置を使いながらごく弱い電圧を徐々に上げてフィラメントが焼き切れる寸前までじっくりゆっくり調整つまみを上げていきましょう。スリル感たっぷりでなんだかヤバいことをやっているのがわかると思います。ただし豆電気には顔を近づけないように注意しておいてください。急加熱に耐えきれず、突然ガラスが割れる可能性もあるのです。

 

 これからの実験で電球が毎回壊されてしまうと結構なお金がかかってしまいますので、あえて今回の実験であえて1回だけきちんと失敗させておくことは今後の事故防止の観点からも有効だと考えます。後ほど説明するかもしれませんが、電源装置のメリットを生かす実験としてシャーペン電球があります。私の場合は200mlもしくは300mlビーカーを用意して、1グループにつき人数分のシャープペンシルの芯を入れておきます。芯の両端をプラスとマイナスの端子で挟み、ビーカーの中にブランコ状態にしておきます。その後、電源装置のつまみを回して電圧をかけ、電流を流していきます。しばらくすると芯から煙が上がり、徐々に発熱し、赤くそして黄色く発光していきます。思わず湧き上がる生徒の歓声。エスカレートする生徒の興奮、この時、つまみを一気に回してしまうとあっさりと焼け切れてしまいますので、赤もしくは黄色の状態をキープしてください。強くすぎると目が痛んでしまいますが、よく見るとだんだんと細くなっていく事に気づくはずです。加熱によって空気中の酸素とシャーペンの芯の炭素が化合し、二酸化炭素が発生して気体に姿を変えるのです。徐々に芯が細くなり、最終的には髪の毛よりも細くなり、真っ二つに折れてしまいます。ちょっと危険かもしれませんが、その様子を観察することもなかなか興味深いことだと思います。おそらく最初に配られた芯を全て焼き切ったグループは自分たちのシャーペンの芯で何度も何度も繰り返すことでしょう。二本三本いっぺんにつまんでやってみたり、濃さの違うシャーペンでやってみたりといろいろな探求活動が自然発生します。危険のない範囲でまた暖かく見守ってあげていいのかなと思います。

 

 授業の最後にエジソンと電球の話をしておくと効果的かと思います。白熱電球を発明したエジソンがフィラメントに日本の竹を蒸し焼きにした素材でフィラメントを作って成功したというお話です。エジソンの発明はたくさんのチャレンジと失敗の上に積み重なったものであるということを知って欲しいなと思います。長くなってしまいました。次のページへ…

 電圧と電流の関係を調べるための基礎的な実験になります。これまで電池を使っていましたが、今回突然出てきた不思議な電源装置という機械。でもとても便利なものでその使い方を覚えておきましょう。別にただの実験装置なので全くクローズアップされずに終わってしまいます。なんとなく装置の説明をしていきなり実験でも構いませんが、あえてペースダウンをしてゆっくりとした時間を過ごしても良いかもしれません。プリントを作成していませんでしたが、私は2時間に分けてやっていたことを思い出しました。

 今回の授業の内容は2つ。まず電源装置の使い方、そして便利なところをわかってもらうために簡単な実験を行います。後半は電圧と電流の関係を調べる実験です。電源装置の使い方がわかれば比較的スムーズにできる実験ですので、きちんと授業の目的やねらいを示した上でしっかりと測定して、有意義な時間を過ごして欲しいなと思います。

​ 電源装置の使い方は非常にわかりやすくできているのであえて詳しく説明する必要はないと思っています。よっぽどの悪意がなければ事故は起こらないと思います。とは言え高価な機械ですので教科書などの説明通りに使い方をレクチャーしていきましょう。

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