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ワインや日本酒を蒸留してみよう!

~蒸留マスターへの道①~

 初めてこの実験をやってみた時、結構感動しました。当たり前のことではあるのですが、赤い液体から蒸留によって無色透明のエタノールが取り出せるというごく当たり前のことなのですが、理科の教師として生徒に示せる教材としてなんとも魅力的なものだろうと思ったのです。ちなみに私はお酒が得意ではないので、ウイスキーとかブランデー、焼酎の価値が正直わからなかったりするのですが、我々人類が自分たちの生活に彩りを加えるために様々なアルコール飲料を開発した情熱には本当に頭が下がります。いわゆるサイエンスの方法は我々の生活と文化にとって必要なものであると思うのです。

 

 ここ最近では新型コロナウイルスの消毒薬としてエタノール不足が報道されていましたが、酒造会社が消毒用アルコールの生産を始めたというトピックは、お酒が日常生活に必要としない中学生にとっては良い導入のきっかけになるのではないかと思います。「科学が生活を豊かにする」という事例を生徒たちに示していきたいと思います。

蒸留の実験は既に前回行っていますので今回の実験の手順については比較的スムーズに進むのではないかと考えられます。注意点としてはある程度のワインの量が必要だということです。大体14%前後なのでそれ相応の量を用意しておかないと試験管に集める量が少なかったりします。事前に予備実験をしながらどのくらい蒸留すると良いのか?実験器具は適切かについて今一度確認をしてください。

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 ちなみに以前、様々なアルコール製品でこの実験を試しましたが、やはり赤ワインが一番適切かなと思います。みりんや梅酒は糖分が多いため丸底フラスコの中身が焦げつきます。これがなかなか取れません。白ワインや日本酒についてはもとのお酒との色の違いがわかりにくいため、いまいち感動がありません。ビールの匂いは子供にとってあまり好きなものではないようなのでやめておきましょう。なお、最近の日本酒は糖質0%のものが出ていますので、フラスコが汚れることは少なくなりましたが、そこまでこだわってやらなくても大丈夫かもしれません。なお、全生徒の自主的な探究活動を促進するためには自宅からお酒を持って来させても良いかと思います。自分事として考えることや保護者の方にも学校の理科の時間にどういうことを習っているか?についての話題を提供することができると思います。

ワインの蒸留-1.jpg
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