火山灰からわかることは?

~わんがけと鉱物の観察~

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 おそらくほとんどの生徒が知っているダイヤモンド、サファイヤ、ルビー、エメラルド。これがすべて鉱物です。「なんで石ころの勉強なんかしなきゃいけないの?」って言う生徒さんもいます。かと思えば指輪を買うときのあのダイヤに対するこだわり、この違いは一体何なんでしょうか?また、世界中の博物館に所蔵されている数々の宝石たち、そして我々の身の回りにあるただの石ころとの違いって不思議ですよね。もちろん含まれている成分と見た目の問題だけなのですが、美しいものには人の興味をそそる何かがあると思います。長く理科の先生をやっていると生徒達が何に感動するかという事はある程度つかめてきます。基本的には心を動かすような力があるものは「すごいこと」や「美しい」ことです。そういう感情を動かす力を持った石が鉱物なのかなと思います。

 鉱物は化学物質の結晶ですが、その組成によって様々な形や色があり、我々人間を魅了します。私はこの授業のために昔、デアゴスティーニ社から出ていた「地球の鉱物コレクション」をコンプリートしました。といってもメルカリです。もともと20種類までは集めていたのですが、正直苦痛になっていたため途中で断念していました。ところが、ある日、家庭訪問をした時に生徒のお部屋で「地球の鉱物コレクション」の完全版(120種フルコンプリート)を見ることができました。家庭訪問の本来の目的はそっちのけで生徒と私の2人でひたすら鉱物の話にのめりこみ、保護者の方が本当に心配していたことを覚えています。それ以来、その子との信頼関係が築けたのか、理科の鉱物以外の単元にも興味をもって授業を受けてくれるようになり、なんと神奈川県が誇る「横浜サイエンスフロンティア高等学校」に合格。そして東京理科大に進み、今では理科のプロフェッショナルとして活躍しています。子供の人生を変えるほどのパワーが鉱物にあるのだなと思いました。

 

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 話が脱線してしまいました。私の授業は「鉱物コレクション」を博物館のように並べて、生徒たちに観察してもらい、お気に入りの3つの石をよく観察するところから始まります。

 

 次に火山灰の「わんがけ」ですが、私が昔、他の中学校の先生に「大量の火山灰があるけどいらないか?」と聞かれて取りに行ったことがきっかけでハマりました。バケツいっぱいにもらった火山灰はおそらく私が退職まで十分な量が確保されています。ちなみに火山が違えば組成も違います。そこが面白いですよね。

そして実験は水とお皿だけあれば簡単にできるので、ぜひ鉱物を取り出し、顕微鏡で観察をさせてください。先程見た鉱物たちとは違う大きさではありますが、やはりキラキラと輝く魅力がありますよね。詳しく同定することまでは要求しません。溶岩の中にはこのような成分が含まれていることを覚えてもらえば充分かと思います。

 

 火成岩の鉱物の組成割合ですが、ここは少し暗記が必要だと思います。有色鉱物の割合によって色と名前が異なっていますが、何らかの語呂合わせで覚えてもらうとてっとり早いと思います。「新幹線は刈り上げ(しんかんせんはかりあげ)」です。

「しん」は深成岩の「深」、「か(ん)」は花こう岩の「花」、「せん」は閃緑岩の「閃」、「は」ははんれい岩の「は」、「か」は火山岩の「火」、「り」は流紋岩の「流(りゅう)」、「あ」は安山岩の「安(あん)」、「げ」は玄武岩の「玄(げん)」とそれぞれの頭文字を並べただけです。

 

 ちなみに有色鉱物の割合が多くなると色は黒くなります。花こう岩は白っぽいということは、石英や長石の無色鉱物が多く含まれているということです。石英はガラスの原料です。ガラスを作るには石英を高温で溶かして成形して作ります。つまり花こう岩は高温のマグマからできているのです。高温のマグマは地下深くでできるのでねばりけが強くなります。
 一方、玄武岩は黒っぽいので有色鉱物が多く含まれているので、地表または地表にごく近いところでできるので、マグマのねばりけは弱くなります。ハワイのキラウエア火山とかマウナロア火山などは黒い溶岩ですよね。