物質の形が変わる?状態変化について

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 学習指導要領では生徒が粒子モデルを獲得できるように様々な改定がなされています。2年生の原子や分子、3年生のイオンの所ではこの粒子概念が獲得できていないとかなり厳しいことになってきます。水溶液のところでも出てきましたが、ミクロな視点で物事を考えることが求められています。そのためには机上の空論だけではなく、生徒の目で見て考えさせるきっかけを数多く作っていく必要があると思います。そのためには一番わかりやすい「水の状態変化」の話から持っていく理想的ですよね。日常生活と結びつけられるように、できるだけ身近な道具を使いながら具体例を示していければと思います。

 

 とりあえず一番身近な水からスタートします。温度による状態の変化を認識させたいのでまずは「水を冷やしたら何になるか?」を聞きます。実際に固まるのには時間がかかりますので、事前に氷を用意しておくことが以上です。氷を手で持っていると体温で融ける様子も改めて見せてしまいましょう。また、小さな氷であれば丸底フラスコに入れてガスバーナーで加熱し、氷→水→水蒸気というように加熱によってその姿が変わることを是非見せて欲しいと思います。湯気と水蒸気の違いについても説明を加えておきましょう。水蒸気は目に見えないぐらい拡散していますが、湯気は水蒸気が集まって目に見えるぐらい大きな粒になっていることを伝えましょう。かなりの生徒さんが水蒸気と湯気の違いについて正しく理解していないので確認をしてください。ちなみに空に浮いている雲が水滴や氷の粒であることも伝えておいていいでしょう。空気中の目で見えない水蒸気が上空で冷やされて目で見える形になっていることを今のうちから伝えておいていいと思います。

 ビニール袋に入れた液体に熱湯をかけて膨らませる実験はきちんと温度管理をしないと失敗します。エタノールの沸点は78°ですが、かなり熱湯に近い状態でないとうまく膨らんでくれません。またビニール袋も透明度の高いものがいいですね。また、ある程度熱に強いものでないとうまくいかないことがありますので必ず予備実験をしておきましょう。演示実験は百発百中でなければいけません。昔、ジエチルエーテルでやったこともあるのですがこれは今は問題があるのでやめています。

 物質の状態が温度によって変化するということを粒子モデルで理解してほしいので、その説明を動画で流せるとイメージがつきやすいようです。コンピューターグラフィックスがない時代でも様々な視聴覚教材で粒子モデルを表現する映画映像が残っていますのでぜひ検索をしてみてください。岩波映画が監修した「たのしい理科」シリーズは秀逸です。アニメーションやクレイモデル、手作りっぽいコマ撮りのアニメーションなど、昔の先生方がいかに工夫して粒子モデルを伝えようとしていたのか?その情熱が伝わってきます。いくつか例を載せておきますのでぜひご覧ください。

 最後の実験は丸底フラスコとガスバーナーでお湯を沸かして風船を膨らませる実験です。少量の水を入れ、ある程度湯気が出てくるまで温まったら、火傷をしないように丸底フラスコの口を風船で塞ぎます。さらに加熱を続けると水蒸気によって風船がどんどん膨らみます。予想通りとはいえ、そのユーモラスな姿に生徒たちは大興奮です。ある程度膨らんだら火を消してしばらく様子を見ます。もちろん生徒たちにはこの後どうなるか?を予想してもらいます。膨らみが止まり、徐々にしぼんでいく風船。そして力なく倒れたと思ったら、丸底フラスコの口に徐々に吸い込まれていきます(ちょっとつまんであげましょう)。さらに時間の経過とともにフラスコの内側に引っ張られていき、まさかまさかと思っている間にフラスコの内側で風船が膨らみます。少し時間を短縮したい場合にはフラスコに水をかけてもいいかもしれません(ただし割れる場合があります)。もちろんもう一度温めれば風船は膨らみますので、再実験してください。この実験はとても興味深く生徒たちは注目してくれます。

 この授業で大切なことは状態変化の現象を粒子モデルで表現させることですので、フラスコの中の水の様子どのようにその状態は変化したかをイメージさせましょう。私の中では鉄板の授業ですのでぜひマネしてみてください。